Canon G7 X Mark II 実撮影レビュー RX100との比較

g7x2

今までコンデジはソニーのRX100(初代)を二年ほど使ってきました。

画質含めてほぼ不満は無いのですが、「あったらいいなぁ」と思う機能などもあり、新しいコンデジを物色。結論としてキヤノンのPowerShot G7X2を購入しました。

RX100との比較も交えながらレビューしてみたいと思います。

【参考】キヤノン:PowerShot G7 X Mark Ⅱ|仕様

サイズ感・重さ

RX100と比べて、厚い! デカい! 重い!
240gのRX100に比べ、319gはやっぱり重い!!
コンデジはそのサイズや形状的に基本は片手で持つしかないわけで、けっこう手首が痛くなる重さです。右手全体にズシッと来ます。

ストラップをつける金具がボディに埋め込まれた感じになっているRX100とは違い、G7X2はこれ見よがしに金具がその存在を主張しています。これはもう「重いから首から提げるストラップを使ってね」という暗黙のメッセージなのでしょうか。やはり軽さは正義だと痛感します。RX100だってコンデジとしては重いほうなのに、G7X2と比べると軽く感じる・・・。

ピッタリくるケースは?

ハクバのPIXGEARカメラポーチ・Mサイズを買ってみましたが、すごくブカブカ。
付属のスペーサーを使ってもまだ少し余裕ある。

後に同商品のSサイズも買ってみたところ、どんぴしゃでぴったりサイズでした。出し入れ時はちょっとキツイかな?と感じるくらいかもしれません。

このケースはカラビナが付属しているのがありがたいですね。

AF・オートフォーカス

顔認識の精度は高く、追従性も良い。
横顔でもわりと検知する。

AF設定で謎なのが、

「AF動作」でSERVO

「AF方式」で「顔+追尾優先AF」

「コンティニュアスAF」で「する」

という設定にしているのですが、この3つ(サーボ・追尾・コンティニュアス)って全部ほぼ同じ意味なんじゃないの???と混乱しています。

スマイルシャッターが無いのはなぜ!?

顔認識AFの精度は凄く良いです。
速度も精度もいいし、被写体が移動しても顔を見失わずに食らいついていく感じ。

それなのに、なぜかスマイルシャッター・顔検知シャッターが無い!
これは地味に痛い。RX100ではそれを多用してたので不便を感じます。
特に液晶を180度動かして自撮りするにはスマイルシャッターがないと手動でシャッターボタンを押さないといけないので辛いです。

コントローラーリング

レンズ鏡筒部にあるリングは「スムース」と「カチカチ」が一瞬で切り替えられるのがGOOD。

たとえば絞りを割り当てているときには「カチカチ」にして、MF(マニュアル・フォーカス)に割り当てているときは「スムース」にする等、好みで切り替えられます。

露出補正ダイヤル

ハードウェアとして専用の露出補正ダイヤルがあるのが良い。
これが今回買う決め手になった一つ。

RX100ではいちいち十字キーの下を押して液晶を見ながら露出補正を選んで補正数値を決めて・・・という2ステップの手順がありましたが、G7X2なら物理的なダイヤル回して一発で露出補正できるので楽チンですね。

もちろんダイヤルが増える分だけ物理的なサイズも増しますが、これは一眼に近い撮影フィーリングを得るためにはトレードオフで仕方ないですね。

で、実際使ってみた感想は・・・意外とダイヤルが固いので、RX100方式でもまあ良かったかも???

撮影のタイムラグが気になる

これが今のところG7X2の最大の欠点(または不具合?)ではないかと私が感じている点です。撮影モードが「1枚」だと、なぜか書き込みが遅いのです。

連続でシャッター押しても、パシャパシャと連続で撮れません。しかもRAWではなくてJPEGですよ。

1枚撮った後に液晶がブラックアウトしてSDカードに書き込んでいることを示す緑ランプが点灯し、また次にシャッターを切れるようになるまでタイムラグが一呼吸ある。

特にモードダイヤルが「AUTO」になっているときは顕著に遅い。1.5秒~2.0秒くらいブラックアウトしている。AvやTvモード等でも、AUTOモードほどではないけどやっぱりちょっとチンタラしている。

1枚撮影ではなく高速連射または低速連射の設定にした状態なら連続でパシャシャシャ・・・と撮れている。すなわちSDカードの書き込み速度には問題ないことが分かる。(念のため使ってるSDカードの書き込み速度を計測したところ、シーケンシャル・ライトで40MB/s以上ありました)

そもそもバッファ・メモリを内蔵しているはずで、たった1枚の撮影でこのブラックアウトの時間の長さはおかしい。

この謎のタイムラグ・撮影レスポンスの悪さは明らかにRX100に劣る。RX100の場合は、連射モードではなく1枚撮影モードの設定のときでも、シャッターボタンを連打すれば結果的に連射みたいにサクサクと撮れていました。

説明書p.160には次の記載が。どうやらサーボAFにしているせいで撮影が遅いのかな?

g7x2-p160

しかし冷静に考えればAFがサーボかどうかと、画像をメディアに記録して次の撮影ができる状態になるまでの時間は、直接関係無いと思うんですが・・・。

RX100ではどんなAF設定のときでも、ドライブモードが「1枚撮影」でも、とにかくシャッターボタンを連打すれば連射撮影が速かった(≒液晶画面のブラックアウト時間がほとんど無かった)のは事実です。

操作系は一眼ユーザーにも優しい

キヤノンの一眼レフと似た操作メニュー。
私はEOS6Dも所有していますので馴染みがあります。
しかしRX100のほうがメニューは使いやすい気がします。

デザイン・質感など

デザインはRX100と比べるとゴテゴテしてるけど、グリップも最初からついていて握りやすい。

背面のダイヤル(正式にはコントローラーホイールと呼ぶらしい)は、RX100の感触のほうが好み。ダイヤルに指が引っかかりやすくするためのギザギザの幅や深さ、そしてダイヤルの回るトルク感(固さ)、ダイヤルの位置など、RX100のほうが操作フィーリングが優れていると個人的には思います。

RX100は全体的にデザインと操作性が一体となり、ハードウェアとしての作りこみは上手いし完成されている。なつかしの「ソニーらしさ」ですね。
G7X2はいかにもCanonらしく(?)、ゴテゴテもっさりな印象の筐体。

グリップ感

デザインの野暮ったさと引き換えに、グリップはほぼ完璧です。とても持ちやすい。RX100ではグリップが有料オプションということでケチ臭いのですが、G7X2ではもともとグリップ付きです。

背面の親指を置く部分のグリップもしっかり。でもしっかりしすぎて、動画撮影のRECボタンの位置がグリップの下になってしまい、ちょっと押しづらいです。RX100では親指グリップの右端にめり込むような形で動画RECボタンが配置されており、これが片手ホールド時には非常に押しやすくて便利だった。

AFサーボ時の音と振動

AFがフォーカスを合わせている時、「カッカッカッカッ!」あるいは「カタカタカタカタ!」とインナーフォーカスが動く音が盛大に聞こえます。音だけでなく振動もわずかに手に感じます。しかもAFが合った後も微調整なのかずっと鳴り続けている。けっこう気になるレベル。特に動画撮影時にはこの音がしっかり録音されてしまい、再生時に耳障りです。

特にAF動作を「サーボ」にして、コンティニュアスAFを「する」にしていると、この音と振動が顕著です。サーボはずっと被写体を追従するものなので当然と言えば当然ですが、RX100では「AF-C」に設定してもそんな音や振動は無かったので、ちょっと気になります。ただしRX100の「AF-C」は、シャッター半押ししている間ずっとピントが前後に移動して「ゆわんゆわんゆわん」と画面が揺れる感じがして気持ち悪いのでそれはそれで問題ですけどね。

液晶について

【参考】キヤノン:PowerShot G7 X Mark Ⅱ|操作性・機動力

色味が黄色い

これは明らかに色味が黄色い! 白い壁などを映すとよく分かりますが、なんか黄ばんでるんですよね。これはG7X2に限らず、他のCanonコンデジを触ったときにも感じました。

一方ソニーRX100の液晶は全体的に色が青白い。鮮やか&爽やかな印象です。
G7X2とRX100を並べて、同じ壁などを液晶に映してみると差が一目瞭然です。

Canon機の液晶のほうがリアルというか実際の光の再現に忠実なのかもしれませんが、人間の記憶色に近くてパッと見も綺麗なのはSony機の液晶かなぁという感じがします。

タッチパネル

これは便利!
スマホのように、ピントを合わせたい被写体に指でタッチすることでAFを合わせられます。そのままタッチと同時にシャッターを切る設定にすることも可能です。

チルト液晶

これはぜひとも欲しかった機能の一つ。
自撮り時にくるっと自分のほうに向けたり、ハイアングル・ローアングル、なんでもいけちゃいます。

RX100では液晶固定だったため、自撮りでの画角決めは勘に頼るしかなく難しかった。

たとえば狭い部屋で壁際ギリギリに三脚立てたり棚の上にカメラ置くなどしてタイマー撮影したり動画を撮影したり、ということがよくあります。しかしこのとき、液晶が固定だと画面が見えず、構図を決められません。

これがチルト液晶のおかげで完全に解決するため、厚みは増しますが絶対に欲しかった装備です。

デジタル水準器

水準器はちょっと使いづらいですね。RX100のほうが精度も使いやすさ(見やすさ)も上と感じます。

しかも動画撮影時には水準器表示が消えてしまうという謎仕様。
超不便です。

画質

画質となると「何をもって良い画質とするのか」という定義の問題にもなり、主観的な要素も多いので難しいところです。

ただこのクラスのカメラになりますと、もはや誰がどう見ても良いのは当然。基本的な部分は全て高次元です。カメラに詳しくない人がこのカメラで撮った写真を見れば、ただただ「綺麗」の一言でしょう。スマホとは別次元の仕上がりです。撮影状況によっては一眼レフで撮った写真と区別つきません。

あとは重箱の隅をつつくようなマニアックな指摘がメインになってきます。その辺はググるなり価格.comの熱い議論を見るなりしてみてください。

ボケ具合

ボケの大きさ

G7X2とRX100は、どちらも広角ワイド端ではF1.8。センサーサイズは1型。

だからボケ具合も同じだろう・・・と思ってましたが、G7X2はワイド24mm。RX100は28mmです。この4mmの違いのため当然ボケ感は違ってきます。言い方を変えると「被写界深度がG7X2のほうが深く、RX100のほうが浅い」ということですね。

背面液晶で見て分かるくらい、明らかにRX100のワイ端のほうが大きくボケています。ピントを合わせたい被写体に寄れば寄るほど、ボケ部分の違いがよく分かります。

これは焦点距離の違いですからどうしても仕方ないというか、当然のことですね。

ボケの形

9枚羽根絞りで円形に近いボケ味とのことです。

ストロボ操作はやや謎?

ストロボ(フラッシュ)の設定操作についてはRX100とは少し違うので注意が必要です。
背面十字キーの右側がストロボ設定を変えるためのキーとして割り当てられています。これはRX100と同じなのでそのつもりでキーを押しても無反応。

あれ?と思ったら、筐体左側面にあるストロボをポップアップさせるためのスイッチを使ってストロボが飛び出している状態のときのみ、背面十字キーの右ボタン(ストロボ設定)が反応するようです。

なお、この筐体左側面にあるストロボをポップアップさせるスイッチは物理的な仕掛けになっているようで、電源がOFFのときでも動作します。

ストロボは指で動かして、上面に向けてバウンスさせることが可能です。ただし完全に真上には向かず、前方斜め45度上くらいを向かせるのが限界です。

動画の手ブレ補正

5軸補正ということで、実際ものすごく強力です。
手持ちで最大までズームしてもフラつきは非常に少ない。安定してます。

しかし逆に補正が強すぎて、手ブレではなく意図的にカメラを動かそうと思ったときにやや違和感があります。カメラを持った手の動きに一瞬遅れて、じわ~っとついてくる、という感じでしょうか。

これは撮影意図によってはあえて手ブレ補正をOFFにする必要も出てくるかと思います。

総評

ここ数年熱い激戦が繰り広げられている1インチセンサーの高級コンデジ市場。そこへCanonが本気出して製品を発売したのですから、いいカメラであるに決まっています。

しかしこの記事で書いてきたように、個人的には欠点や不満がないわけではありません。値段も現在のところ7万円台前半はする。コンデジとしては超高級品です。RX100初代機を2台買ってもまだお釣りがくるほど高価。

チルト液晶とかが必要なくて、「よく分からないので、オートで何も考えずスマホより綺麗な写真が撮れればそれでいい」という初心者の方は、SONYのRX100で十分すぎると思います。死ぬほど超絶綺麗な写真が撮れます。

一方、中級者以上の方は、やはり最新機種のほうがいろいろ便利になってますので、このG7X2を買うのも良いでしょう。価格や性能から見ておそらくRX100M3が一番競合率が高いと思いますが、私のように既に初代RX100を持っている場合は、G7X2を買ってソニーとキヤノンの違いを体感するのもまた楽しいと思います。

【参考】比較レビュー:キヤノンPowerShot G7 XはMark IIになって何がどう変わったのか – デジカメ Watch

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