子供たちのマイナポイントを親が受け取るためのハードルが高すぎる

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国が付与するマイナポイント(最大20,000円分)をもらうためのマイナカード申請期限は今まで何度も延長されてきましたが、いよいよ今月末(明日、2月28日)が本当に最終期限となるようです。

カード申請期限とポイント申請期限は異なる

これ勘違いしている方も多いようですが、「ポイントをもらう権利を得るためのカード申請期限」であって、「ポイント申請する期限」ではありません。仕組みを理解してないと分かりにくいですけどね。だからとりあえず2月末までにカードの申請さえしておけばポイント申請の期限まではまだ余裕がある(ポイントを実際にもらう期限は5月末まで)のですが、そこを混同している人が多いようですね。

しかし混同するのも当然で、このマイナポイントを受け取る仕組みが超難解複雑かつ面倒なんですよ。マイナポイントを受け取るためにはキャッシュレス決済などのサービスを通じてポイント付与するスキームが必要。この連携の仕組みというか概念を理解するのが非常に難しい。実際の作業自体は(手順は多くて面倒なものの)シンプルなんです。でもその仕組み、概念を理解するのが困難。キャッシュレス決済というもの自体がまだ新しいのに、さらにそこに複雑難解なマイナポイントの仕組みが絡み合う。私のようなIT関連に明るいほうの人間ですら、複雑で面倒だなと感じる。ましてやIT関連の知識が疎い人や中高年の方などはパニックを起こすのではないでしょうか?

スマホにインストールしなければいけない「マイナポータル・アプリ」とは別途「マイナポイント・アプリ」を入れなければならないのもハードル高い。これがまた名前が似ていてややこしい上に、なんで2つを別のアプリに分けたん?っていう疑問も。

マイナポイントのアプリのほうは期間限定でしか使わないつもりなのか、あまりユーザビリティが高くない仕様・デザイン。やっつけ仕事感がすごいです。マイナポータル・アプリのほうは力入れて作られてますけどね。マイナポイントのアプリは即席感がすごいです。

子供がいる場合は複数のポイント受け取り手段を用意しなければならない

ここからが今回の記事の本題。

マイナポイントを受け取るためには自分のマイナンバー(マイキー)と何らかのキャッシュレス決済やポイント決済サービスを紐づけなければなりません。

たとえば自分のマイナポイントを受け取るために、PayPayと紐づけたとします。すると、子どものマイナポイントを親が代理して受け取ろうと思ったら、もうPayPayは使えないんです。他の何かを用意しないといけない。たとえばnanacoとか、クレカのポイントとか。一人(のマイキー)が一つのマイナポイント名目に紐づけられるポイント決済は一つ。もうこの時点でちょっと何言ってるかよく分かんないですよね? それくらい複雑で分かりにくい制度なんですよ。

(※厳密に言えば一つの決済サービスで全部のポイントを受け取る方法もなくはないですが、それはそれで面倒であまり現実的ではない。詳しくは後述します)

決済サービス⼀覧 | マイナポイント事業
https://mynumbercard.point.soumu.go.jp/service_list/service_possible

上記リストを見ると対象となるポイント事業サービスはたくさんあります。でも一人でそんなに複数のポイントサービスを使い分けるなんて面倒でやってられませんよね。

子供3人の場合、こうなる

たとえば子供が三人いて、子供たちのマイナポイントを親一人(父か母のどちらか)のスマホで代理して全部受け取ろうとした場合、どうなるでしょうか。

自分(親):クレカAのポイント
子供1:d払い
子供2:PayPay
子供3:クレカBのポイント

…と、このように複数のポイント決済を準備して受け取らないといけません! 超絶面倒臭い! 私は自分のスマホで子供二人のポイントを同じ決済サービスで受け取ろうと思ったら、「それはもう他のマイキーに紐づけられてるのでダメでーす」みたいなエラーとなりました。上記のように受け取るポイント決済を分散しないといけないのです。

一つの決済サービスで複数の名目のマイナポイントを受け取れるようにしてくれよ!と思います。

自治体マイナポイントも絡むとさらに地獄

で! さらに問題となるのが自治体マイナポイントを受け取りたい場合。全国的には数は少ないですが、国がやっているマイナポイントとは別途、自治体がマイナポイントを付与している場合があります。実はこれを受け取る場合でも先述の場合と同じように、一つのポイント決済は一つの名目に紐づけたら終わりなんです。

たとえば東京都八王子市にお住まいで、子供三人いる場合。八王子マイナポイントを受け取り可能な決済サービスは、d払い・楽天Edy・au PAYの3つのみ。勘のいい方はもう分かったかと思いますが、仮に先に国のマイナポイント受け取りのためにこれら3つの決済サービスのいずれかを紐づけてしまっている場合、子供3人分の八王子マイナポイントは受け取れないのです。詰んでるんです。言っている意味わかりますか???

たとえば、先ほど国のマイナポイントを受け取る事例として以下のように紹介しました。

自分(親):クレカAのポイント
子供1:d払い
子供2:PayPay
子供3:クレカBのポイント

この場合ですと、子供1の(国の)マイナポイント受け取りのためにすでにd払いを親のスマホ(内のd払いアプリ)に紐づけてしまっておりますので、八王子マイナポイント受け取りのためにd払いを用いることができません。八王子マイナポイントの受け取り可能決済サービスは3つしかない。子供が3人いて、そのうちの1つはすでに国のポイント受け取りのために使用してしまっている。だから八王子マイナポイントは2人分しか受け取れない。詰んでる。うーん、文章でこれ伝わりますかね? マイナポイントの仕様が複雑難解でクソな上に私の説明が下手なため、なかなか伝わりづらいかと思います。

選択肢の少ないほうを優先して紐づける

これを回避するためには、まずは選択肢の少ないほう(つまり自治体マイナポイント)の受け取り・紐づけ設定を優先してやることです。今回のモデルケース(八王子在住で子供3人いる家庭)なら、父親のスマホにて、まずは

子供1:d払い
子供2:楽天Edy
子供3:au PAY

上記組み合わせで「子供の自治体マイナポイント」を受け取ることは可能。しかしこれでは子供3人で3つの決済サービスに紐づけが終わってしまい、父親自身の八王子マイナポイントを受け取れませんから、子供のうち1人を母親のスマホにて紐づけないといけません。

自治体マイナポイントを受け取る紐づけ
父親:au PAY
子供1(父スマホ):d払い
子供2(父スマホ):楽天Edy
母親:d払い
子供3(母スマホ):au PAY

たとえば、こんな感じの組み合わせですかね。

で、上記のように(選択肢が少ない)自治体マイナポイントの設定を先にやってから、次に国のマイナポイント受け取りのための紐づけ設定をマイナポイント・アプリでやる。何度も繰り返し言いますが、すでに同じスマホ(に入れている各決済サービスアプリ)と紐づけ済の決済サービスはもう使えませんから、違うもので国のマイナポイントを受け取らねばなりません。

先ほどのモデルケース家族ならば、

国のマイナポイントを受け取る紐づけ
父親:クレカAのポイント
子供1(父スマホ):nanaco
子供2(父スマホ):PayPay
母親:楽天Edy
子供3(母スマホ):nanaco

みたいな。

この説明で伝わりますかね? ポイント受け取りの仕様と、重複を避けるための考え方が。

超絶面倒臭いですよね。これ全部一つずつ事前に計画して分けて、チマチマ申請・登録などの設定をしていかないといけないのです。官僚のバカさ加減がこんなところにも表れています。

子だくさんとかシングル親とかどうすんの?

この仕様を理解していくとすぐに思いつく疑問が、

「子供が4人とか5人とかたくさんいるとか、シングル親とかの場合、どうすんの? 詰んでね?」

っていう疑問。

先述したように、たとえば八王子独自で付与してるマイナポイントは3つしかありませんので、子供が4人以上の場合は考慮されていないんですよ。初手から詰んでます。まあ解決策としては子供自身が自分用のスマホを持つことですが、幼児とかどうすんの?っていう。普通は親のスマホで代理してポイントを受け取りますよねぇ?

あるいは親のスマホ一台しかない場合でも、各種決済サービスアプリにて子供ごとにログアウト・ログインしてアカウントを切り替えれば、全員分のマイナポイントを一台のスマホかつ全部同じ決済サービス(たとえばPayPayとかd払いとか)で受け取ることは可能かもしれません。実際に試したわけではないので未確認ですが、理論上は可能なはず。しかしね、いちいちログアウトしてアカウント切り替えてまたログインして…とか面倒くさくてやってられないんですよ。

シングルマザーとかシングルファーザーとかで子供もたくさんいる…とかなると、仕様的にも労力的にもかなり詰んでる感が凄いです。

まとめ

というわけで今回の話をまとめますと、

・マイナポイント受け取りは、利用する決済サービスの重複が不可なので、家族(子供)が多い場合はよく考えて計画しよう

・ポイント受け取り期限にはまだ余裕あるので焦らずよく考えよう(※自治体マイナポイントは国のマイナポイントとは期限が異なる場合がありますので要注意)

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