PowerShot G5 X Mark II(G5X2)を最近購入しました。
現在コンデジは G7X2、RX100、RX100M6、GR3などを所有しておりまして、そこに買い足す形です。
当然G7X2との比較がメインの話となります。私はG7X2をとても気に入っておりまして、かれこれ4年ほど使い倒してきました。G7X2の後継機としてG7X3が発売されていますが、真のG7X2後継は今回買ったG5X2だと思ってます。G7X3はポジションがやや格下げされた感じがします。キヤノンはこの手のカテゴリー変更をたまにやりますので(たとえば過去には二桁D系一眼レフの立ち位置がミドルクラスからエントリー上級くらいに格下げになった)、今回もそうだと思います。
結論
で、まず結論から簡単に申し上げます。
「ショボい! チャチい!」
この感想に尽きます。ハードウェアが、モノとしてチープ過ぎます。見た瞬間・触った瞬間にプラスチッキーでペラペラな感じがすごいです。子どものオモチャみたい。G7X2のような高級感・剛健な感じはありません。とにかくショボくてペラい。これで10万円!?っていう驚き。
画質云々についてはまだごくわずかしかシャッター切ってないので、特に述べません。「素人目にはもう十分すぎるほど良い画質」と言っておきます。詳しい専門的なことはよく分からないし、G7X2の時点で、すでにコンデジとしてはものすごく綺麗な画質でしたから、まさかそれより悪くはなっていないでしょう。
G5X2とG7X2の違い
G7X2との違いをざっと挙げると、
「見た目・質感が超絶チープに(Bad)」
「価格が大幅に上がりすぎ(Bad)」
「望遠端が伸びた(Good)」
「4K動画が撮影可能に(Good)」
大雑把に言うとこんなところでしょうか。他にも、細かいところで言うと、いろいろモヤる改悪点がいくつかありました。
水準器の表示基準が謎
まずいちばんひどいのが「水準器」。最初、どう設定しても水準器が表示されないのでググってみたら、AF方式によっては水準器表示されないとのこと。なんで???っていう。G7X2ではAF方式に関係なく表示できてたのに。
説明書がまだ紙にこだわってる
そこに関連して、操作ガイドや説明書にも不満が。ソニーみたいにモニター上で詳しいヘルプを見れるようにすればいいのに、そういう説明がない。だから水準器の件でも無駄に迷って時間を浪費しました。
しかもそれを「紙の説明書を見ろ」ってのがまた周回遅れの時代錯誤。これまたソニーを見習って欲しい。ソニーはそもそも紙の説明書自体を付属しなくなってる。これは英断。説明書あってもどうせネットで検索したりPDF説明書を見るほうが便利だから。保管の場所も取るし邪魔なのです。印刷コストも無駄。
かつてはニコンユーザーが「ニコ爺」などと揶揄され、時代遅れ老害の代名詞かのように言われてましたが、ニコンが凋落した今、このまま時代遅れのレガシーにこだわっているキヤノンが次はそうなるのではないかと危惧しています。
グリップのエッジきつめ
グリップも改悪。指の引っかかり部が強く出すぎていて、当たりが強いというか。G7X2のようななめらかな感じがない。なんていうか、グリップのデザインが雑なんですよね…。
USBケーブルをつないでも充電されない
コンセントにアダプタみたいなのをつないで、そこから複数本のUSBケーブルをつなげてスマホやカメラなどを同時に充電できる製品を使っています。しかし、今まであらゆるカメラがそれで充電できていたのに、このG5X2ではなぜか充電できません。USBケーブルをつないでも充電ランプが光らない。なぜ? 仕方ないので付属していたバッテリー充電器を使っていますが超不便です。いちいちバッテリーをカメラに脱着するのが面倒。
※追記:普通のUSBケーブルやUSB充電器ではダメで、PD対応のUSBケーブルやUSB充電器じゃないといけないみたいです。地味にウザいですね。Ankerのこれ、PD対応で薄く小さいのでオススメです。
各種部品がコストカットしすぎ
背面コントローラホイールもふにゃふにゃに。G7X2の時はしっかりした感じでしたが、G5X2のホイールはちょっと指で押しただけでグラグラするペラさ。コスト削減を感じます。大きく値上げしてるのに、どうしてここまでコストをケチるか? まあそれだけカメラの売上が落ちているということなのでしょうけれども…。
電源ボタンが小さくなってるのも地味にストレスたまります。
AFの速度や精度もG7X2より落ちている気がします。いったんピントが合ってシャッターを切った後に、被写体がほとんど動かずにいるのに、そのままフォーカスを維持せずにゆら~っとフォーカスが前後に迷ってまたフラーっと合う、みたいな現象が多発してます。何これ??? G7X2ではこういう現象はなかったのですが…。AFが合う感じは「シュッ」ではなく「ふら~」っという感じが多いです。RX100系は「シュッ! ピタッ!」って感じなんですけどね。
回路の処理速度も遅い気が…?
シャッターを切った時のレスポンスも劣化している気がします。「カシャッ」と撮ったあと、ワンテンポ待たされる感じがあります。何か裏側で画像処理してるのを待ってる感じ。ここも明らかにG7X2よりもレスポンス悪化してる体感があります。(※連射モードではなく1枚撮影のモードでの話です) SDカードの書き込み速度のせいかもしれないとも思いましたが、サンディスクのエクストリーム・90MB/sの規格なので、そんなに遅くないはずです。
モニタチルトはかなり不満
背面液晶モニタ形状およびモニタ上部に当たる部分のボディ形状にも不満です。G7X2ではモニタ上部の角(縁)を面取りしてあるというか、斜めの角度がついており、くるっと自撮り用に回すときにも引っかかりなくスムーズに回ったのです。
しかしG5X2ではRX100系の悪いところを真似してしまったようで、モニタ上辺の斜めの角度は無しになって、それを受けるボディ側にちょっとした出っ張りのようなものが付いてしまいました。これはモニタを収めているときには見た目カッコイイのですが、自撮り用などにチルトするときにこの薄い出っ張りにモニタ上辺がガリっと当たってこすれる(削れる)ような感じがあり、気分が良くありません。本当に削れるわけではないのですが、そういう感覚がある。
抵抗なくスルっとチルト出来たG7X2は見た目はちょいダサですが、実用性は最高でした。キヤノンは見た目よりもこうした実用性重視路線で行ってほしいと私は思うのですが、ついついソニーRX系のスタイリッシュさを真似したくなっちゃったのでしょうね。
G5X2のほうがデカくてゴツい
G5X2は、G7X2と比べると「デカくて、角ばってて、コンパクトさが劣化した」と言えます。G7X2のほうが角丸で小振り(G5X2と比べて)です。
どれを買うか迷っている人へ
で、購入を迷っている人に私のオススメを話しますと、G7X2がベストですね。キヤノン系1インチコンデジを検討している人は、おそらくG7X2、G7X3、G5X2のいずれかで迷っておられるだろうと思います。4K動画が必要ならG7X3またはG5X2にするしかありませんが、動画はフルHDで十分という方であればG7X2をオススメします。この3台の中では一番安いのに高級感や造りの堅牢さは一番上です。基本性能がとてもよく出来ている名機です。
レンズの明るさにこだわらない人、室内よりも屋外で撮ることが多い人は、ソニーのRX100M7が現時点ではベストコンデジでしょうね。ズーム倍率が高く200mmまで望遠があるし、何よりもソニー系のカメラはAF性能がすごい。ミラーレスもコンデジも。
追記
ググったら、すでに偉大な先人による素晴らしいレビューがありました。
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