私は日頃、一生懸命に頑張って歯磨きをしている自負があります。
フロスも使って丁寧に歯間の歯垢も落としています。
にも関わらず、虫歯が出来てしまう。
過去に治療した詰め物の隙間からの二次う蝕が進んでしまう。
どうして!?
これ以上、もう対策のしようがないよ・・・。
【参考】う蝕 – Wikipedia
キシリトール有効説への疑問
これはどうしたものかと思っていろいろネットで検索して調べてみました。よく見かける言説は、皆さんご存知のキシリトールですね。
大体要約すると、
「キシリトールを噛むことによって、悪玉ミュータンス菌を減らし、善玉ミュータンス菌を増やす。結果、酸を作らない善玉ミュータンス菌が増えて虫歯になりにくくなる」
こうした説明が多いですね。歯科医院のサイトなどでもしばしば目にします。
どうも元はみんな同じところ(キシリトール普及をさせたい親玉組織)の説明をそのままコピペしていることが多いようです。
私は医療の専門家ではありませんが、素人から見ても上記の説明にはツッコミどころが満載だと感じました。ツッコミを簡単に箇条書きしますと、
- 善玉ミュータンス菌とやらについての科学的説明・根拠が不十分
- 口の中には膨大な種類の菌が他にもいるのに一切無視されている
- どのように虫歯を減らしたか、具体的なデータが示されていない
虫歯がどう発生するのか、明確な説明を学ぶ
上記のようなことを感じてモヤモヤしていたところ、非常に科学的な説得力を持った下記のサイトを見つけました。
平成15年作成ということで、かなり古めかしいデザインでレイアウトも文章も見づらいページですが、とても具体的かつ科学的な説明がされております。
筆者は「東北大学名誉教授、スウェーデン王立ウーメオ大学名誉歯学博士 山田 正」さんという方で、なにやら凄い肩書きです。
いろいろなところで「虫歯になりにくい」生活や方法というものを散発的に見かけますが、それらをまとめて体系立てて一気に学べるサイトだなと思いました。
要点まとめ
詳しくは前記の参考サイトをご覧いただくとして、私なりに気になった要点を箇条書きでまとめます。
- 砂糖摂取量と虫歯の発生数は直接的な相関が無い
- フッ素が大事(歯磨き剤・洗口剤など)
- 日本は先進諸国の中で虫歯が明らかに多い
- 代用糖の利用が進んでいない
- 砂糖を食べる量ではなく頻度が重要
- 間食を極力無くす=口内pHを上昇させる=歯の修復(再石灰化)時間を確保する
- 特に寝る前の飲食は最悪(寝ると唾液分泌が減り、pHが低下したままになる
- 小児の間食回数と虫歯の数は比例する
- 間食する場合はなるべく代用糖・虫歯にならない甘味料を上手く使う
- 非ウ蝕誘発性の糖はキシリトール以外にもある
- 善玉ミュータンス菌という概念には科学的根拠が無い
- キシリトールは虫歯の発生を防ぐ抗ウ蝕誘発性を持たない(=砂糖やその他の影響による酸発生・pH低下を抑えこむことは出来ない)
- 虫歯菌(ミュータンス菌)以外にも酸を発生させる菌はたくさん口中にいる
- ミュータンス・レンサ球菌の数とむし歯の発生率にはあまり関係がない
- むし歯は食生活習慣病
- キシリトール自身が歯の修復をするわけではないが、キシリトール入りガムを噛むことでpHを低下させずに唾液分泌を促進するので結果的に初期虫歯の再石灰化を助けることにはなる
- 歯垢のつき方等によっては、いくらキシリトール入りのガムを噛んでも口内pHが上がらないことがある=ガムを噛んでいれば大丈夫、というわけではない
- いつ、何を、どのように食べるのかが大事
- シュガーレス食品=歯に安全、とは限らない。デンプンその他の成分でもpHが低下する
- 特定保健用食品のむし歯に関する表示か、「歯に信頼マーク」の付いたものでないと、本当に歯に安全かどうかは保証できない
- 梅干しやスルメを噛んでも唾液の分泌は促進され、pHを上昇させる
- お茶を飲んでもpHが上昇しない=やはり唾液分泌が大事
- 唾液分泌を低下させる薬を飲んでいる場合は要注意
- トローチや甘いシロップ系風邪薬などもpH低下させるので注意(特に幼児)
- 歯磨きの回数と虫歯の数は直接関係ない
- 歯磨きは歯周病の予防には効果が大きいが、むし歯予防には大きな効果がない
- ただし研磨剤無し&フッ素配合の歯磨き剤で歯を磨くのは推奨される
以上のようなまとめとなりました。
わりと衝撃的な内容もあったのではないでしょうか?
10年以上前に書かれたものなので最新ではないし、全てを鵜呑みに出来るわけではありません。たとえば「ミュータンス菌と虫歯はあまり関係ない。それ以外の菌もpHを下げるので虫歯になる」という主張に関しては、「幼児期に虫歯菌が感染しなければその後ずっと虫歯にならない」という有名な説と矛盾します。
ですが、一定の説得力がある内容だと私は感じました。
私個人の問題点
冒頭に書いたように、私は歯磨きなどを比較的頑張っているつもりでしたが、今回のサイトで学んだ結果、以下の点で要改善だと思いました。
- きっちり歯磨きをするためにあえて歯磨き粉を使用しなかったが、フッ素入りのを使うべきだった
- 間食の回数が多かった
- 寝る前の飲食が多かった
- 唾液が少なく、口の中が乾き気味だった
街の歯医者さんが最新の知識を持っているとは限らない
ところで、我々一般人が普段接することの多い歯の専門家は誰でしょうか?
学者や研究者ではなくて現場の歯医者さんです。
待合室の患者さんの数を見れば、歯医者さんが毎日の治療に忙しく、どう考えても常に最新の知識・理論・技術をあまねく習得しているとはとても思えません。仮に30年前のままの知識であっても、歯科医免許が剥奪されることはありませんよね?
ネットでいろいろ歯科医の議論を見ている限りでも、彼らは新しい治療方法には否定的な姿勢が強い人が多いようです。革新的な治療法がなぜダメなのか・具体的にどういう根拠で否定するのかを深く考えず「保険適用じゃないから」とか「よく知らないから」とか「普及してないから」などと思考停止している歯科医が多いですね。
(※本音は新知識の勉強がめんどくさかったり、革新的治療法が普及することによって歯医者の仕事が激減することを恐れていたりという面も大きいでしょう)
歯磨きに関する指導、キシリトールなど食生活に関する指導、その他治療内容や医薬品に関する説明なども歯科医によって言っていることが違っていたり、明らかに内容が古かったり。素人が聞いても「ん?」と疑問に思うような説明をする歯医者さんは少なくありません(えてしてそういう歯医者さんは態度も悪い)。
雑な歯科医が多い印象
口の悪い人は歯医者さんを指して「大工仕事」などと揶揄することもあるようです。たしかに手先は器用ですがガンガン削るばっかりで、細菌の知識などほとんど無いか、あるいはそれを知っていても目を瞑っているような治療が多く見受けられます。一例を挙げますと、患者の口に装着するラバーダムという細菌感染を防止するマスクを使用しない歯医者が圧倒的に多いですよね。あなたは根管(歯の根っこ≒神経)治療時にラバーダムを着けてもらったことありますか?
患者ごとに手を洗ったりゴム手袋を交換したりということも、マジメにやっているとは思えない歯医者を私はよく見かけます。なんだか全体的に雑で不衛生な人が医者よりも歯医者に多い印象があります。歯科医院として独立開業しているので誰も注意も監視もせず、裸の王様になっているためでしょうか?
歯科ギョーカイのしわ寄せを患者に負担させないで
コストや健康保険の問題や歯科医院間の競合が多いことなど、歯医者さん側にも苦労や事情はいろいろあると思います。しかしそれは「歯科業界側が解決すべき問題」であり、我々一般人患者には直接関係の無いこと。そんなしわ寄せを受けず、患者としては最新・最高の医療・治療を受けたいものです。
保険制度の中でマジメにやってたら儲からない・・・だからって手抜きしていいのでしょうか? 不正していいのでしょうか? ろくに説明もせずに短時間でチャッチャと削ってるだけでいいのでしょうか? ラバーダムを使うと儲けが無いからといって、細菌まみれで治療していいのでしょうか?
もし保険制度に文句があるのならば、きちんと歯科医師たちの中から政治家を立てて国会に送り込み、保険制度を改正すべきです。あるいは保険診療を一切せず自費診療専門でやるか、廃業するべきです。治療費の取りっぱぐれが無い保険制度の美味しい部分だけを利用しつつ立場の弱い患者に(手抜き治療等の)負担を押し付けるなど、あってはいけません。
【参考】歯学部って、医学部や薬学部に比べると、めちゃくちゃ偏差値が低いです… – Yahoo!知恵袋
虫歯を治療してくれる歯医者さんには感謝しなければいけませんが、彼らが必ずしも最善を尽くしているとは限らないことを、多方面の事情から理解しておくことは必要でしょう。
予防歯科って利益相反じゃね?
近年よく言われる予防歯科の考え方についても、歯科医側の主張を100%真に受けてはいけません。だって予防歯科って歯科医から見たら利益相反する概念であるからです。なぜなら、もし本当に予防歯科が奏功して仮にみんなが虫歯や歯周病にならなくなったとしたら、多くの歯科医が職を失うことになるからです。
実際、予防歯科先進国では、歯科医のライセンスを持っていても歯医者としての仕事が無いため、全く関係ない別の仕事で生計を立てている人が少なくないそうです。
自分が職を失うかもしれないことを本気で推奨する人がいるでしょうか?
多額の借金をして開業した人が、わざわざお客さんを減らそうとするでしょうか?
したがって歯医者さんに頼りきるのではなく、我々も自ら知識の習得に努めて歯の健康を守りましょう。
自費診療はボッタクリ?
ついでに虫歯と言えば自費診療と保険診療について悩む人が多いと思います。
保険診療は格安すぎて歯医者さんには気の毒だなと感じることもありますが、それが自費診療になると途端に値段が跳ね上がるのもまた納得しづらいところです。たとえば保険診療の3割負担で6000円だった治療が自費診療の場合は10割だから2万円くらいかな~と考えてたら「5万円です」とか「10万円です」とか、どう考えても計算が合わない。
保険適用外のセラミックやジルコニアなどのクラウン材料にしたって、材質そのものの直接的な原価は保険金属と大差ないはずです。歯1本分でせいぜい数十円~数百円でしょう。むしろ材料代(材質代)よりも加工するための人件費や原価に乗せた利益が値段の大部分を占めるはずです。
もちろんどんな商品・サービスであれ、原価と売価は直接比例するものではありません。しかし、保険診療と自費診療の値段と内容のバランスを見たとき、あまりにも「おかしいぞ?」となります。
歯科医的には「自費診療の場合は保険診療の場合よりも時間をかけて丁寧にするから高額になる」という説明をしている場合が多いようですが、じゃあ逆に言えば保険診療では無理に時間を短縮してさらに手抜きもしてんの?って話ですよね。
マジメに保険治療している先生が儲からず、手抜きの保険治療で自費治療に誘導する悪徳歯科医が儲かるのであれば、保険制度の改革が必要ですね。繰り返しになりますが、歯科医業界の組織票を使って志のある先生を国会議員に送り出すべきではないでしょうか。
自費診療の材料費も謎すぎる
たとえば「MTAセメントの原価は1グラム1万円です」って・・・ハァ? 成分は「ケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO2),ケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO2),アルミン酸三カルシウム(3CaO・Al2O3)、二酸化ビスマス(造影剤)、石膏」だそうですが、これら全部合わせて1グラムで1万円??? 金(GOLD)より何倍も高いの!? そんな高価な成分を使ってるかな??? その原価からして患者の足元を見たボッタクリしすぎじゃないの?って思います。その原価にさらに歯科医院の利益を乗せるのですから、スーパー高額になります。
【参考】焼津・藤枝の歯医者 丸山歯科医院 » MTA(mineral trioxide aggregate)セメント
こういうことをいろいろ突き詰めて考えていくと「自費診療ってあまりにもボッタクリじゃね?」という疑念がわいてきます。同時に歯科医への信頼も揺らいできます。歯は二度と再生しませんから、削ったモン勝ち・抜いたモン勝ちみたいなところがあります。患者は「この歯医者で失敗した!」と思っても後の祭りなのです。
そうした患者の弱い立場につけ込み、ずいぶん上から目線の態度で接してくる歯科医が多いことにも腹が立ちます。ドクター・ショッピングする患者を批判する前にまず自らを律し、正して欲しいものです。
【参考】ドクターショッピング – Wikipedia
【参考】「後医は名医」、不要なドクターショッピングを繰り返さないために知って欲しいこと
ネットで調べると、誠意ある歯医者さんが裏事情を書いていてくれたりしますので、ぜひ一度目を通しておくといいでしょう。下記サイトおすすめです。
【参考】ぼったくりの歯医者の見分け方 : ラジコンとマンガとはいしゃブログ
もう一度まとめ
話が脱線しましたが、以下に前述サイト筆者による結びを引用します。
1. 間食には「歯に信頼マーク」のついたお菓子を.
2. 寝る前には食べない.
3. 口腔清掃(歯みがき)を忘れずに.
4. できればフッ素入りの歯みがきで.
これらに気をつけて、今後の虫歯の可能性を減らしていこうと思います。
虫歯菌の有無よりも唾液を出す訓練で虫歯を無くせる説
虫歯になる人とならない人の違いについて歯医者さんが書いた記事。
【参考】歯を磨いているのにどうして虫歯になるの? – 月見歯科クリニック
上記サイトから引用します。
虫歯菌の代表であるミュータンス菌は歯があれば100%存在します。虫歯菌が感染するといって、母親が同じ食器を使わないというのは全くナンセンス
この歯医者さんによると、虫歯菌は歯があれば100%存在する。したがって親から子への感染を気にするのは無駄、との主張です。
そして、要するに口中の汚れを洗い流してpHをアルカリ性に保てれば虫歯にならないのだから、唾液がとても重要である。唾液を多く出すにはよく噛んだり食べるものに注意するなど、訓練次第で唾液量を増やせる、とのこと。
【参考】歯医者が教える!1日3回歯磨きしても虫歯になるそのワケは!?
個人的には虫歯菌の感染に関する考え方には同意できませんが、唾液を良く出すことに関しては賛成です。
その他、今までの常識を疑う新事実の数々
歯科医によって言うことが全然違っていたり。
いつまで経っても古い治療法にこだわっていたり。
なかなか信用できる歯医者っていないですよね。
さらに保険適用を決める厚労省の役人も何を考えているのかよくわかりません。戦後すぐに使われだしたアマルガム(水銀を含む合金)を21世紀になっても禁止しないとか、いろいろ問題だらけ。
今まで歯医者が言ってきた「常識」を一度疑い、我々も広く多く情報を知る必要がありそうです。そして歯科業界の変革を促さないと、我々は良い治療を受けられないでしょう。何十年もあまり進歩していない日本の歯科はこのままではダメなのではないでしょうか。
以下に参考になりそうなリンクを張っておきます。
【参考】虫歯は削らず食事で治そう – フレンズ歯科クリニック
【参考】再生医療の今とこれから – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020
【参考】虫歯などで失われた歯や歯根を完全に再生する技術が登場 – GIGAZINE
【参考】虫歯治療のために歯を再生する技術が登場へ – GIGAZINE
【参考】口内の虫歯菌が激減、虫歯菌だけを溶かす酵素が商品化へ – GIGAZINE
【参考】ドックス ベストで痛くない虫歯治療|Dr.ふなちゃんのブログ
【参考】歯医者さんは教えてくれない虫歯と歯周病を撃退する3つの兵器まとめ – セカイノカタチ
【参考】「インプラント手術」を行なう歯科医の6割がトラブルを経験しているという事実 中には死亡事故も | ライフハックちゃんねる弐式
【参考】80年代のインプラント治療で問題 顔の皮膚を突き破る危険も – ライブドアニュース
【参考】資格不要なインプラント トラブル減らぬ理由は技術格差│NEWSポストセブン
【参考】虫歯を削る必要はないと判明、虫歯治療の根本概念が変わる可能性 – GIGAZINE
【参考】アマルガム 金銀パラジウム合金の除去 噛み合わせ治療で全身からアトピー性皮膚炎 掌せき膿胞症 頭痛 肩こり 腰痛を診る 中垣直毅
【参考】アマルガム【歯科大辞典】
【参考】エンゼル歯科|低年齢児のむし歯(虫歯)治療・予防-重度
【参考】女性芸能人の歯・お宝画像 ←このサイトを作った人は何者なのか!? 凄まじい執念と観察力です・・・
【参考】さらば根管治療? 歯の自己修復を助ける素材が開発される|ギズモード・ジャパン
【参考】根管治療の専門医が行っている最新治療法と一般歯科との治療の違い
【参考】精密・根管治療(歯の神経の治療)|ほうじょう歯科医院新日本橋
【参考】1日5秒で出来る口臭予防!忙しいあなたにオススメな重曹うがいの効果とは
【参考】虫歯とかいう人類が1番対処すべき病気:ハムスター速報
【参考】歯科技工士が驚くべき証言 銀歯の「再利用」は業界で暗黙の了解? – ライブドアニュース
【参考】「歯を磨いてはいけない」は本当なのか 歯科医が回答│NEWSポストセブン
【参考】100%虫歯にならない方法を教える – すぱまりライフハックちゃんねる
【参考】痛みを伴わない虫歯の根管治療法が開発される – GIGAZINE
【参考】虫歯に歯と同じ成分を吹き付けて治療する装置が登場 – GIGAZINE
【参考】食後すぐに磨くと大ダメージ 知って得する「歯磨き」の新常識 – ライブドアニュース
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