これまでEIZOのEV2456を使っていました。しかし1920×1200がちょっと手狭に感じるようになってきたので、今回27インチでWQHD(2560 x 1440)の DELLのS2721DS を購入してみました。
いま開封して設置したばかりですが、とりあえず初発の感想を記録しておきます。
開封の儀
まず箱がサイドに開く。狭い上蓋が開くんじゃなくて、サイドの広い面がパカっと開く。そう開くとは予想してなくて焦ったけど、これは取り出しやすくていいですね。
中身はかなり簡素だけど、合理的。スタンドの組み立ても合理的で超簡単。スタンドの金属パーツ部分はわりと汚れてたり大量の擦り傷があったりしてかなり雑。「THE・中国製」という印象だが、まあでも組み立て後には見えなくなる部分だし、実用的には問題なし。
このスタンドを台座にはめ込んでネジで締めるのも道具要らずで楽チン。なのだが、どうもスタンドが奥深くまで差し込めない。スタンド下辺と台座との間に1~2mmの隙間が出来てしまう。製造精度が悪いのか、設計時点でそうだったのか。
まあいいかと組み立てを進める。パネル部分をスタンドに装着するのもだいぶ簡素な機構でカチンと超簡単に装着。ここも合理的。接合部分がプラなので強度は弱そうだが、よっぽどのことがない限り壊れるということはないでしょう。
電源ケーブルとHDMIケーブルが付属品として存在するが、元々EV2456で使っていたケーブルをそのまま流用して問題なく動作。パソコン側を抜くのが面倒だったので流用しました。
気づいた問題点
で、普通に画面も映りました。まず気づいた問題点をいくつか。
モニタがグラグラする
これは先述の「スタンドと台座との隙間が微妙にある」問題と関係しているかと思うのですが、ちょっと触れただけでグラグラ盛大に揺れます。各種設定をするためのボタンがモニタ下部にあるのですが、このボタンは下から上に押す構造になっているため、普通に押すとモニタが揺れまくりで押しづらい。なので、左手でモニタ上部を抑えながら右手でボタン操作しないとうまく設定できません。
画面がやけに黄色い
よく「尿液晶」って言葉をネットで見ますが、これか!と思いました。今まで使っていたEIZO・EV2456と比べると標準状態で明らかに黄色い。
かと言って違う色プロファイルを選ぶと、今度は不自然に青白い。うーん、色はいまいちな感じがしますね。
あとEIZO・EV2456では明るさセンサーがあって部屋の光の状態に応じて自動的にモニタの明るさも変更されたのですが、DELL・S2721DSでは手動で変更しなければなりません。これは地味に面倒臭い。
DELLのロゴが超絶ダサい
これは買う前から分かってはいたことですが、DELLのロゴがデカデカと正面真ん中にあるのはダサい。これ要らないよ~。せめてシルバーじゃなくてもっと目立たず、ベゼルと馴染む色にして欲しかった。
EIZO・EV2456では四辺フルフレームレスだったのがDELL・S2721DSでは3辺のみで、下辺(ロゴがついてる部分)は太めのフレームありになりました。でも色が黒いので、全然気になりません。
台座およびスタンドのシルバー塗装も超絶安っぽくてダサいので、これはフレームに合わせて黒にしてほしかったですね。モニタ背面だけなぜか高級感あるザラザラなテクスチャで無駄におしゃれ。そこ見えないんですけど…。
箱の内部がゲロ臭い
開封した瞬間から、なんかゲロ臭いんです。胃液と食べ物が混じったようなモワッとした不快な臭い。段ボールの箱が臭いのか内部の梱包材が臭いのかなんなのか分かりませんが、ゲロのような強烈な臭い。アメリカ製のチョコレートなんかでも同じニオイを感じたことがあります。これ何の臭いなんだろう?
幸い、モニタ本体は臭くありません。箱内部(または梱包材)が臭いだけ。
良かった点
もちろん良かった点もあります。
安い
私の求める条件を満たしつつ、しかも安かったので即決で買いました。別に安さはそんなに重要視してないのですが、私の求める条件(後述する奥行きの短さ)を満たしている製品が他にほとんど無かったというのもあります。
組み立てが楽で合理的
これも一度だけの作業ではありますが、やっぱり面倒よりは楽なほうがいい。箱の開封から組み立てまで、かなり合理的で感心しました。
奥行きが小さい(これ超大事!)
奥行き寸法が小さい(短い)。これが一番重要なポイントでした。私のパソコンデスク机の奥行きが600mmしかないので、机を広く使うためにモニタはできるだけ奥の壁に寄せて設置したいわけです。しかし現在販売されている各社モニタのほとんどが、奥行き寸法が長すぎる! 壁に近づけて設置できない、すなわち自分の目に近くなりすぎるわけです。画面サイズがデカければデカいほど顔から遠ざけたいのに、インチサイズがデカいモニタほど奥行きが長くなる(=モニタが顔に近くなる)というジレンマ。
ところがこのDELL・S2721DSは27インチという大きさの割に、スペック上の奥行き寸法がたったの約175mmしかない。実際に設置して計測してみると、壁から液晶表面までの距離実寸は、170mmを切ることも可能。これはいいですね。机の奥行きが狭い人、なるべく顔からモニタを遠ざけたい人は、このモニタおすすめです。このサイズでこの奥行きの短さは他に選択肢がほとんどありませんので、強力なセールスポイントとして訴求していいかと思います。
ドットピッチ(文字の小ささ)はギリギリ許容範囲
これまで使っていた24.1インチで1920×1200だと、ドットピッチは0.270mm。
それが27インチで2560×1440だと、ドットピッチは0.233mm。
これはすごく簡単に説明すると「映像は精細になるけど、文字サイズは小さくなる」という感じです。もちろんWindowsの設定でフォントの拡大率を変えて文字を大きくすることはできるのですが、まあそれはいろいろと問題が起きやすいんです。すべてのソフトが対応してるわけでもないですしね。
24.1インチ | WUXGA(1920×1200) | 93dpi | 0.270mm |
27インチ | WQHD(2560×1440) | 108dpi | 0.233mm |
今回このドットピッチが小さくなることをだいぶ懸念していたのですが、実際に現物画面を見てみると、まあなんとかギリギリ許容範囲かな?という感じです。本当は31.5インチで2560×1440だと見やすくなるのですが、そうするとモニタ自体が巨大かつ重くなるし、画面がでかすぎると視線移動の距離も増えて疲れるというデメリットもあります。
メールソフトであるThunderbirdの画面なんかではちょっと文字が小さくて辛い気がしますが、ギリギリなんとか読めます。近視や老眼などの人はこのドットピッチについて気を付けてモニタ選びをしてください。
やっぱり黄色い!
…と、ここまで記事を書いてきてWordpressの記事作成画面を見ていて思ったのですが、やっぱり液晶の黄色さが気になる!! 白い部分が多い画面表示だと、この黄色さがかなり気になります。うーん、キツイな、これ。写真や動画などクリエイティブな作業にも使おうと思っているのですが、これはマズイかも?
とりあえずしばらく使ってみて、どうしても我慢できなければまたEIZO製品を買うかもしれません。でも奥行き問題がなぁ…。たとえばEIZOのEV2781はスペック上の奥行寸法が 230mm。この60mm(6cm)の差って、けっこうデカいんですよ。目からの距離が6cm変わると、だいぶ圧迫感も見やすさも変わるんですよね…。
総評
総合的には「安くて及第点」ですね。ほとんどの人は不満なく使える製品だと思います。
3万数千円という安い値段で27インチ・WQHDのモニタが買えるなんていい時代になりましたね。
<参考サイト>
購入前に下記のサイト様の情報が大変参考になりましたのでリンクしておきます。
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